木村文人総合研究所

木村文人(きむらぶんじん)です。まわりから「ぶん兄(にい)」と呼ばれています。よろしくお願いします。

神田の名居酒屋『みますや』は何度行っても新しい!

平日の夕方の6時半の山手線。

このまま東京駅まで行って、駅弁でも買って、おとなしく京都へ帰るか。
それとも神田で降りて『みますや』へ寄るか。
迷った。
そもそもこんな時間に『みますや』に行って、座れるのか。
 
男には雑踏の中に紛れてひとり自分と向き合いたいときがある(かっちょええ)。
今日はそんな日だ。
よし、迷った時は行く。
神田で下車して一路『みますや』へ向かった。
歩くこと10分。
 

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入口の引戸を開ける前から、店内の喧騒が耳に飛び込んできた。
これはかなり混雑していそうだ。
 
ガラッと開けたら、目の前のテーブルは満席だった。
右手に見える小上がりも満席。
左の座敷も満席。
オーマイガー!
と思っていたら、アジアンなまりの日本語を話す女史に、奥の相席なら空きがあると促された。
 
大きなテーブルの誕生日席。
サラリーマン風の二人連れが二組、若い男子二人組、それと怪しげな男と女。
そのテーブルの誕生席は、それぞれの組の会話が嫌が上でも耳に飛び込んでくる。
まぁいい。
その辺は受けながすべを身につけている。
それに喧騒のなかにこそ、本当の静寂があるとも言える。
しかし店内を見渡すと、よくこれだけ老若男女が集まったものだ。
万人の欲求を満たす何かがこの店にはあるのだろう。
 
とりあえず生ビールを注文した。
お通しと一緒に配膳された。
お通しは「もやしのポン酢和え」である。
これと生ビールでしばしこの空間に溶け込む。
もやしを口に運んでは、ビールをグビッとやる。
そして次の注文に思いを馳せる。
 
熟慮の結果、焼きとり3本をチョイスした。
なぜなら右前の若者二人組がこれを食べており、とても美味しそうに見えたという単純な理由である。
しかし混雑してるので、なかなか出てこない。
お通しで生ビール一杯終了
 
何度となくこの店に足を運んでいるが、焼きとりを注文したのははじめてかもしれない。
最近は、焼きとりをオーダーすると、タレか塩か聞いてくる店が増えたが、ここは違う。
無条件にタレである。
 
ご近所に座っている怪しげな男女が、それぞれ自分のモテ自慢を開陳しだした。
女性のモテ自慢はかわいいものだが、いい大人の男のモテ自慢はいただけない。
気になるのは、二人が一切料理に手をつけずに話し込んでいるということ。
料理が冷めまっせ。
 
しばらくするとようやく手元に3本の焼きとりが運ばれてきた。
来た来た。
大きめに切った鶏肉が濃厚なタレでしっかりとコーティングされているというビジュアル。
七味ぱらりとして一口ほおばってみた。
食べてみるとタレはあっさり系である。
また鶏肉は固めで歯ごたえのある淡白な味である。
この焼とりで二杯目のビールが終わる。
 
そして二品目の注文を考える。
ものが選べるって幸せなことですなぁ。
新幹線の時間まで、それほど余裕がない。
急がねば。
 
ということで、いつも注文する「さくらさしみの赤身」に落ち着いた。
大好物である。
ニンニクは明日も仕事があるので、断腸の思いで「無しでお願いします」と断った。
誰か強引に「ニンニクを一緒に食べずして、さくらさしみを語るでない」と叱って欲しかった。
そしたら「ええい、明日のことなどどうでもよいわい。おねえちゃん、ニンニクおもいっきり乗せてちょうだい」と言ってたと思う。
意思が弱い。
 

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馬肉に生姜を乗せて、醤油にちょんちょんとつける。
一枚ずつ味わう。
熊本のように甘みある醤油ではなく、普通の濃口醤油です。
馬肉特有のねっとりとした口あたり。
淡白ななかに、かすかに感じる肉の甘味。
ウマいわぁ。
 
そろそろ新幹線の時間が気になりだしたので、今日はここまで。
夕方の小腹を満たすには最高の時間であった。
先ほどの男女はまだ料理に手をつけておらず、自慢合戦の継続中であった。
 
ご馳走様でした。